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メッセージ

 子どもたちは「どうして?」を持ち、その疑問に対して多くの人から考えを聞き、心の中に再び新たな「どうして?」を生むものだと思います。最も怖いことは子どもたちが、分ったふりをした大人からの回答や根も葉もないメディアだけの情報を信じ、それが世界の全てであると認識し大人になることです。映画は世界を直に描き時として膨大な嘘を付き、その嘘でさえも真実である誠に複雑で美しい芸術です。この複雑な映画を複雑とせず自分の感じたままに捉え、再び「どうして?」を生みだし新たな探究心を芽生えさせ一歩踏み出すことに私は未来を感じます。

 

 我々は映画を作り、子どもたちに届けることまでしか出来ません。映画館から一歩踏み出した世界は子どもたちが自ら広げていく場所です。ですから我々は子どもたちを信じます。そして何より、この文章を奇跡的に読んでくださっている方と豊な社会を創造できると信じています。

 

 とてもパワーがいる「信じる」という行為。間もなく2016年。これからも疑い、信じ、疑い、生きていきます。

(『カラス姫』監督/脚本 篠原 隼士)

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